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仁和寺観音堂 その2 [仏像]

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  ほとけの姿を、造像したり描いたりする場合、どのような姿や色をしているのか、身に付けるものや持ち物は何か、そうした事が書かれている、儀軌と呼ばれる経典があります。


  ただ、そのような経典は、記述の異なるものが、複数あるそうで、今回の二十八部衆のそれぞれの尊像名にも経典により異同があるようです。


   二十八部衆には、インド神話に登場する神々などが含まれていて、釈迦如来の眷族である、奈良・興福寺の像で知られている八部衆も、この二十八部衆にほぼ含まれています。ただ、八部衆のメンバーにも異同があり、必ずしも一定ではありません。


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 八部衆のメンバーの一人、阿修羅王を見付けました。



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 そして、やはり八部衆の仲間として人気の高い迦楼羅王(かるらおう)もいました。



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  二十八部衆の像は、極彩色に彩られていますが、この彩色も、儀軌に指定されているものです。



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  例えば、この阿修羅王も、儀軌に従って、赤い色に造られています。


  阿修羅像として、最も有名な興福寺像は、現在黒っぽい色合いですが、これは千数百年間の経年変化に依るもので、本来の阿修羅像の肌は、赤い色に彩色されていたことが分かっています。


  実は、文化庁の依頼で、昭和60年代に芸術院が当時の技法も再現しつつ、実物大で造像当時の姿に復元製作した、赤い色の阿修羅像が存在します。


 僕は、奈良国立博物館で、復刻された赤い阿修羅像を一度だけ観た記憶があります。僕は、四十数年来の阿修羅ファンですが、その赤い阿修羅はかなり衝撃的な姿で、最初にこの阿修羅像を観たら、これほどまでも阿修羅像に心惹かれただろうかと思いました。



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  因みに、上の写真は、造像当時と現在の興福寺の阿修羅像をかたどった、カプセルフィギュアの阿修羅像です。

 奈良博で観た赤い阿修羅は、当然本物に近い精巧な復元モデルでしたが、彩色のイメージだけは、この小さなカプセルフィギュアにも、なかなか上手く再現されていると思います。



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  特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」の「仁和寺観音堂」のコーナーには、観音堂内部の壁画も展示されていますが、これは本物ではなく、写真版で再現されたものだそうです。


  壁画には、三十三観音や、観音経に書かれている、観音菩薩の功徳などが描かれています。


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 三十三観音の御姿。



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 これは、六道絵のうち、阿修羅道。


 阿修羅王が、宿敵である帝釈天と戦う様子が描かれています。




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 ここには、観音経の偈文に書かれている、観音菩薩の功徳が描かれています。


 右から、


     或値怨賊繞 各執刀加害 念彼観音力 咸即起慈心

 

       剣を手にして危害を加えようとする敵の集団に取り囲まれたとしても、

       アヴァローキテーシュバラを心に念ずれば、即座にかれらは慈しみ深くなろう。

 

 中央は、

 

     或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力 刀尋段段壊

 

       刑吏の手に委ねられて、まさに処刑されようとしても、

       アヴァローキテーシュバラを心に念ずれば、そのとき剣はばらばらに砕けよう。

 

 左の絵は、

 

     或囚禁枷鎖 手足被杻械 念彼観音力 釈然得解脱

 

       木製あるいは鉄製の足枷によって、また縄で縛られることがあっても、

       アヴァローキテーシュバラを心に念ずれば、縄目は忽ちに解けよう。

 

 それぞれ、経典に書かれた「観音力(かんのんりき)」と呼ばれる、観音菩薩の功徳が描かれています。

 

    尚、この現代語訳は、岩波文庫版「法華経 下」所収の原典訳からの引用です。

  また、「アヴァローキテーシュバラ」とは、観音菩薩のインドでの原名です。


           



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 寺社が、ご本尊を出展するような展覧会を開催する場合、堂塔の修理や造営などの、大きな工事の資金調達の一環として、企画される場合が多いように思います。

 貴重な文化財ですから、文化庁からの支援があって然るべきであろうと思いますが、実際には僅かな支援しか受けられない為、ご本尊に出向いて頂いて、江戸時代には良く行われていたという出開帳の代わりに、展覧会が催されると言うことのようです。


 仁和寺でも、平成24年から今年30年迄の間、金堂や観音堂の修復のための寄進を募っているそうです。

 その上、昨年の台風で、五重塔が損傷するという事故もあったようです。

 恐らく、今回の特別展も、堂塔修理のための資金調達の意味もあったように思われます。


 しかし、父親の車椅子を押しながらでは、なかなか京都や奈良へは行けない現状の僕にとっては、仏像がやって来てくれるのは、とても有り難いことです。

 特に今回の特別展は、父親がもう一度行ってみたいと言い出して、前期・後期共に2回づつ、計4回展観することが出来ました。


 また、一部とは言え、仏像の写真を撮らせて頂けたことも、とても有り難く思います。

 最近、展覧会の展示物の一部、または全部を撮影可としている場合が増えて来ているように思います。それは、恐らくはインスタグラム等のSNSに写真を上げることが、大きな宣伝効果となっている事にもあるような気がします。

 そこで、僕もインスタグラムに、何枚かの写真を載せてみました。




 尤も、積極的にフォロワー数を増やす努力をしていない、僕のインスタグラムでは、あまり宣伝効果は期待出来ないかも知れませんが…






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コメント 2

mimimomo

おはようございます^^
阿修羅王はよく知っていますが、迦楼羅王と言うのは知らなかったです(-、-;
阿修羅王にしてもこう言う肌色とは知らなかったし、このお顔はまるで女性ですね。本当はどちらかしら^^ 阿修羅と言われると何だか男性のようでもあり・・・でも女性の方が似合ってるとも思えますし。
4回もお出かけになられて良かったですね^^
by mimimomo (2018-03-11 06:53) 

sakamono

なるほど。こうした展覧会は、資金調達のためでもあるのですね。
思いもよりませんでした。
by sakamono (2018-03-15 22:41) 

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