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彼岸花 [野草]

    ヒガンバナ  彼岸花     ヒガンバナ科  ヒガンバナ属

夏が終わる頃、彼岸花が咲き始めます。

燃え立つ焔(ほむら)のような赤い花は、まだ緑の多い野原で際立って目に映ります。

 

 

 

         夏が逝き秋が訪なう

         その野辺に

         焔のごとく咲く花は

         去り行く夏の残り火か

         唐紅のもみじ葉の

         秋を染め抜くさきがけか

         行きつ戻りつたゆたうような

         季節の狭間の彼岸花


秋の色は、陰陽五行説によれば「白」ということになっています。
けれど、目に入ってくる色からは、紅葉などの「赤」のイメージが強いような気がします。

陰陽五行説では、「赤(朱)」は、夏を表す色であり「朱夏」という言葉がありますが、秋に就いては「白秋」という言葉があります。

「白秋」と言えば、詩人の「北原白秋」を思い浮かべる方も多いと思います。

しかし、「白秋全集」に所収の年譜によれば、文学を志していた少年時代の白秋は、当時の文学仲間とくじ引きをした結果、当たった文字を組み合わせて、雅号を作ったということです。
勿論、その雅号の由来の大本には、陰陽五行説の「白秋」という言葉の存在はあるのかも知れません。しかし、必ずしも元々あった陰陽五行説の「白秋」という言葉との深い関連は無いようにも思えます。
以下に、「年譜」のその部分を引用しておきます。

1901(明治三四)年   一六歳
・・・・・(前文略)・・・・
この年の冬、友人と「文学会」を起し、回覧雑誌「蓬文(ほうぶん)」(未発見)を発行。この時友人たちと「白」の下に一字を置く雅号を定め、籤(くじ)で「秋」の字を引き当てて「白秋」と号した。
・・・・・(後文略)・・・・

                            岩波書店版 白秋全集 別巻 所収 「年譜」より

 

白秋の詩には、彼岸花を歌った作品があり、昨年の記事にはその詩を引用しました。
今回は、その雅号に就いて少し触れましたので、最後に改めてその詩を載せて置くことにします。

 

 

                  曼珠沙華

                          北原白秋

            GONSHAN. GONSHAN. 何處(どこ)へゆく、
            赤い、御墓(おはか)曼珠沙華(ひがんばな)
            曼珠沙華、
            けふも手折りに来たわいな。

            GONSHAN. GONSHAN. 何本(なんぼん)か。
            地には七本、血のやうに、
            血のやうに、
            ちゃうど、あの児の年の(かず)
            GONSHAN. GONSHAN. 気をつけな。
            ひとつ()んでも、日は真昼、
            日は真昼、
            ひとつあとからまたひらく。

            GONSHAN. GONSHAN. 何故(なし)なくろ。
            何時(       いつ)まで取っても、曼珠沙華(ひがんばな)
            曼珠沙華、
            恐(               こは)や、赤しや、まだ七つ。

                        北原白秋 詩集『思ひ出』柳河風俗詩

                             岩波書店版 白秋全集2 <詩集2> 所収

 

 

 

 

おまけ

今回の写真の、2枚目と3枚目の背景に、青いものが写っています。
ファインダー越しに見える青が綺麗だったので、意図的に写しこんだのですが、その正体を以下に載せておきます。

   ツユクサ   露草   ツユクサ科  ツユクサ属

多分、すぐに分かった方が多いと思いますが、ツユクサです。

なんとも儚い感じのこの青が、僕はとても好きです。

 


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コメント 12

mimimomo

こんにちは^^
燃えるような赤・・・と言う言葉がピッタリのお写真ですね~
albireoさんらしい彼岸花vv
by mimimomo (2007-09-30 14:35) 

あやこ

秋は夕暮れ
というイメージがあるせいか、秋はオレンジ~赤な感じがします。
by あやこ (2007-09-30 18:14) 

Silvermac

露草、まだあちこちで咲いていますね。
by Silvermac (2007-09-30 21:36) 

Gotton Factory

曼珠沙華の歌は曲も詩も印象深くて好きなものの1つです。
あの花の赤さがこういう狂気をはらんだ詩を作らせるのでしょうか?
by Gotton Factory (2007-09-30 21:59) 

春分

赤く、青く、黄色く(ステルンベルギアとか)、秋が進行中ですね。
混ぜると白い秋になりませんか?
なりませんね。光の三原色は赤、青、緑かな。
by 春分 (2007-09-30 22:23) 

彼岸花、見事な赤ですね!
そして、それとは対照的な露草の青も、とても綺麗です。
どちらも秋を感じさせる素敵な写真だと思いました。
by (2007-09-30 22:41) 

アルファルハ

鮮やかです。
by アルファルハ (2007-10-01 21:26) 

penpen

綺麗な赤ですね。今年は彼岸花が遅いような気もします。今も咲いています。
by penpen (2007-10-01 22:19) 

はてみ

このalbireoさんの詩は素敵ですね。
ヒガンバナのつぼみは赤黒くて、いったいここからどのようにしべが伸びていくのか、
見てみたいものです。
by はてみ (2007-10-02 00:54) 

kuri-ma

彼岸花 詩で検索してこの記事に行き着きました
もう、今まさにUPしようとしている私のブログに
載せていただきたいと思います
http://kuri-ma.seesaa.net/
正直
白秋の詩よりも
いいと思います
by kuri-ma (2010-09-26 05:56) 

ラビ♪

初めまして。
彼岸花の詩を探していてこちらを見つけました。
写真ブログをやっているのですが、今日彼岸花の写真を撮ってきて、アルバムを作ろうと思っています。
そのアルバムにこちらの冒頭の詩を引用させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
詩心がなくイメージを膨らませるために詩を探していました。
ご了承いただけましたら、こちらのサイトを明記いたします。
よろしくお願いいたします。
by ラビ♪ (2010-09-26 13:22) 

ラビ♪

すみません。
了解を頂く前に作ってしまいました・・・
「相思華」
http://www.digibook.net/d/8c44c1bf8058ba44315fe2c4593ef379/?viewerMode=fullWindow
素敵な詩をありがとうございました。
by ラビ♪ (2010-09-26 22:28) 

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